最愛の子どもを授かり子育てが始まったのに、 「私、子育てに向いてない?子育てってこんなに辛いの?」
「愛しているはずなのに子育てに疲れて子どもを愛せなくなってしまう私はダメな母親・・??」
私が保育士をしていた頃、多くのママから子育てについての相談を受けてきました。
そして私自身が保育士という経験を持っていても、我が子を授かり子育てを始めたときに同じように悩み、産後鬱のような状態になりました。
保育士の経験があっても産後鬱になるということは、初めて子どもを育てていくママさんの負担は相当なものだと感じています。
「子どもを愛せない、可愛いと思えない。」
そんな自分を責めてしまう前に知っておいてほしいことをまとめました。
【本日の目次】
1,子どもの鳴き声を聞くのが辛い
2,1人の時間がなくて辛い
3,睡眠不足で身体が辛い
4,イライラする自分を責めて悩んでしまう
5,周りの人に助けを求められず1人で悩む
6,外出先で泣かれると周りの目が気になる
7,すべて完璧を目指そうとする
8,夫婦間の価値観が合わない
9,孤独を感じて辛い
1,HSP気質を受け入れる
2,自分を満たす
3,苦手を上手に手放す
4,子育ては1人でするものではない
5,子育てはママ&パパ育て
1,子どもの気持ちに寄り添う共感力の強さ
2,些細な幸せを感じられる感受性の高さ
3,あらゆるリスクを考えられる危険察知能力
4,子どもとパパをつなぐ調整力
HSPは子育てが向いていないと感じやすい子育ての悩み9つ
1,子どもの鳴き声を聞くと辛い
HSPが子育てを向いていないと感じてしまう原因として『聴覚の敏感さ』があります。
『敏感さ』と単純に単語で表記されますがその音に対する苦痛はそんなもので表現されるようなものではなく
例えばHSPの方が感じる感覚は『耳元でジャンボジェット機が飛んでいるみたい』という表現で言われることもあります。
赤ちゃんは生まれてきてすぐは泣くことがお仕事!
泣くことでお腹すいた、眠い、暑い、寒いなどの不快感を泣いて訴えていますね。
それは分かっているけど・・・赤ちゃんが高い声で泣き続ける声って聴覚に敏感なHSPにとってとても辛いと感じやすいものです。
もう少し小さい声でも聞こえるのに・・と思ってしまうときも何度もありました。
HSPは聴覚の敏感さがあったとしても短時間であれば耐えられたりもしますが、それが24時間ずっと続くとなると、それは拷問を受けているような感覚になる方も多いのではないでしょうか?
出産後のママは体調がまだ完全に戻っていないのにも関わらず通常5日ほどで退院し、赤ちゃんと2人きりの生活がスタートします!
入院して助産師さんにミルクのあげかた、身体の洗い方などを教えてもらったけど・・
でも突然ママになり、思うように動かない自分の身体に困惑し、何をしても泣き続ける赤ちゃんの声にどっと疲れて「早くパパ帰って来て!!」って心の中で毎日泣いていました!
2,1人の時間がなくて辛い
HSPにとって大切なのは『1人になる時間』
ありとあらゆる刺激を受けやすいHSPにとって1人になれる時間というのはこの上なく自由でこの上なくゆっ
たりリラックスできる時間ではありますが、母親になった瞬間に『一人になる時間』は圧倒的に減ります!
トイレに行くのも我慢してしまう女性が数多くいるほど、子どもの要求は待ったなしですし、一瞬目を離した
だけで子どもの命なんていとも簡単に危険に侵されてしまいます!
それは年齢が小さければ小さいほど危険のリスクは高まります。
1人の時間どころか、食事をしたのかさえ覚えていないほどに目まぐるしい育児にHSPの心はどんどんすり減ってしまいます。
3,睡眠不足で身体が辛い
眠れない!!これって私が育児で一番と言っていいほど辛かったかもしれません!!
HSPにとって睡眠時間を確保することは必須です!
普段生活している中でさえ様々な刺激を受けて疲れやすいHSPにとって、しっかりと睡眠を取れるということ
がそれこそ生命線!まさに死ぬか生きるか!くらいに大きな役割を持っています。
でも子育てが始まると新生児は3〜4時間睡眠を取ると言われていますが・・・
実際私の子育てでは眠っても30〜40分くらいから始まり、その日の様子によっては抱っこから降ろせないと
いう日も多く、それが24時間続きます・・。(そういう子はもしかしたらHSC=人いちばい繊細な感覚を持
ったお子さんかもしれません)
また女性は母親になると女性ホルモンが活発になり、赤ちゃんを守るため、たとえ母親が寝ている状態でも赤
ちゃんの些細な音や少し動いただけでもすぐに目を覚ましてしまいます!
睡眠不足でも目が覚めるのは本能なのでしょうが、睡眠をしっかり取った記憶なんてない方も多いのではないでしょうか??
睡眠不足が続くとどうなるか??
体は常に疲れているような状態になり、イライラ、免疫機能が低下します。
さらに、昼間の眠気による作業能率の低下、視力の低下、注意力の低下、疲労感の増幅などを引き起こします。
そして孤独を感じやすい母親は不安状態やうつ状態を招くこともあります。
4,イライラする自分を責めて悩んでしまう
初めての子育て、子どもの鳴き声が24時間続き睡眠不足、栄養不足・・・そんな毎日ならイライラも募りますよね・・
そして溜まったストレスをついつい1人で抱え込んだり、すべてを完璧にこなそうとするHSPはストレスを溜め込んでしまう傾向にあります。
そんなイライラしてしまう自分を「子育ても出来ないダメな母親」「最愛な子どもを愛せない自分は最低な母親」そんな風に自分を責めてしまいがちになります。
5,周りの人に助けを求められず1人で悩む
「母親なら子育てをしっかりできないと!」
「お仕事もしていないんだから子育てくらいしっかりやらないと!」
『〇〇だから〇〇べき』
そうした自分が勝手に思い込んだ価値観に振り回され、完璧主義のHSPは完ぺきにできない自分を責めてしまうこともHSPのママを苦しませる原因の一つだと感じています。
6,外出先で泣かれると周りの目が気になる
買い物の間の少しの時間なら気分転換に外出しよう!
そう想ってベビーカーで外出した先で、子どもが初めて見る家族以外の人に人見知り!!
スーパー中に広がる子どもの鳴き声にヒヤヒヤして慌てて買い物を済ませる・・そんな冷や汗をかきながら外出した経験もたくさんあります。
子どもの鳴き声に温かく受け入れてくれる人ばかりではない現実・・
「チッ!!」と舌打ちされたことも数多くその姿に心を痛めたり、泣いている子どもに
「何で泣くの??」と苛立ちをぶつける日もありました。
7,すべて完璧を目指そうとする
HSPはすべて完璧を目指そうとしたり、手を抜くことが苦手な方がとても多いです。
離乳食は絶対に手作りで!子どもに良いものを!
もちろん愛情からの完璧主義ではありますが、自分自身が疲弊してしまってはいつか心がポキリと折れてしまうことに繋がってしまいます。
今日は1品だけ出来合いのものでも良いかな??とできる範囲で手を抜けるようになると子育てもぐっと楽になります。
8,夫婦間の価値観が合わない
子育ては未来の地球を作る1人の人間を育て上げるとても大きな仕事になります!
でも夫婦間の価値観が合わないと子育てをしながら夫婦の関係を作ることってHSPにはとてもハードルが高いと感じます。
もともと自分の気持ちを表現するのが苦手なHSPにとって、子育ての価値観を話し合うにはとても労力が必要になります。
できれば事前に子育て観について話し合っておくことをおすすめします。
9,孤独を感じて辛い
HSPは5人に1人の割合で存在すると言われていますが、少数派のHSPはその感覚を理解してもらえないとい
う経験をしている方が多いかと想います。
自分の考えを伝えても「考えすぎ」と言われたり
相手の本音が見えて人付き合いが怖くなる
些細な一言に傷ついていつまでも気になってしまう
そうやってなかなか同じ感覚を持った仲間を作りにくく孤独を感じやすいという事があります。
本音を言える仲間が居ない・・・
子育ての悩みを打ち明けられない・・・
そうして孤独感を感じて子育てを辛いと感じやすくなりがちです。
HSPが子育てを向いていないと感じてしまう理由って?
前に記載した9つの子育ての悩み以外にも、子育てが向いていないと感じることはたくさんあるかと想います。
HSPが子育てを辛いと感じやすい特徴は、HSPが生まれ持っている4つの特性【DOSE ダズ】にもよります。
HSPが持つ4つの特性を子育てという観点で見ていきたいと想います。
1,【D:深く処理する(Depth of processing)】
子育てを完璧にこなそうとする
1人で抱え込みがち
母親はこうあるべきという思い込みに苦しみやすい
真面目で一生懸命何事も1人でこなそうとしたり人に頼るのが苦手な部分もあるため、悩みも1人で抱え込みがちになります。
【O:過剰に刺激を受けやすい(being easily Overstimulated)】
赤ちゃんの鳴き声に過剰に反応し、ストレスを感じやすい
暑さ、寒さ、自分に合わない服、濡れたりチクチクしたりする服が苦手
刺激を受けやすく疲れが溜まりやすい
外出の際などに周りから見られる目を気にしたり、人に迷惑をかけていないか気になり緊張状態が続きやすい。
痛みに敏感なため、出産後の体調不良に敏感に反応する。
刺激を敏感に受けやすいのも特徴です。疲れを感じやすく睡眠を確保することが大切ですが、子育て中はほとんど睡眠を取れなかったり、1人の時間を作ることも難しいため、ストレスが溜まりやすいです。
また人の目を気にすることもあるため、外出先での人目を気にして緊張状態が続く傾向にあります。
【E:全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い(being both Emotionally reactive generally and having high Empathy in particular)】
涙もろく感情が揺れやすい
赤ちゃんの泣いている姿に共感して不安になる
過剰に反応し、かつ高い共感力があることから、子どもの気持ちを察して心配になったり不安を感じることが多い。また涙もろく感情が揺れやすいため精神的な不安定さにも繋がりやすい。
【S:些細な刺激を察知する(being aware of Subtle Stimuli)】
赤ちゃんの体調の変化や鳴き声の変化など些細なことに気づくため、小さなことまで神経を使いやすい。
室内に散らかりやものが定位置にないと気になるなど自分が気になる部分に妥協できなかったり、思い通りにいかないと苛立ちを感じる
周りの人からの些細な言葉などに傷つきやすく、いつまでも気になってしまう
些細なことに気付ける敏感さが大きな特徴です。
ストレスや悩みを抱えた状態だとその症状が増して、神経質になったり、不安を感じやすくなります。
HSPが子育てをする上で大切にしてほしい5つのマインド
ではそんなHSPが子育てをもっと楽しむための大切にしてほしいマインドを5つご紹介していきたいと想います!
1,HSP気質を受け入れる
まずはHSPに気づいたら、その気質をまるごと受け入れることが大切です!
様々な刺激をキャッチしやすい気質の為、人よりも子育てが辛いと感じやすいことも事実ですが、気質をしっかり理解していけばもっと子育てを楽しく、子育ての醍醐味を味わいともに成長していく充実感を味わうこともできます!
2,自分を満たす
自分を満たすことに罪悪感を感じやすいHSPは多いと感じています。相手を優先し相手のために尽くすことが良いことと感じている部分も多いために、自分のやりたいことをやることや、自分を心地よい状態にすることに抵抗感や罪悪感を感じて自分は一番最後に後回しになりがちです!
しかし、子育て手でいちばん大切なのは「心の余裕」かもしれないとさえ感じます。ママが満たされていると赤ちゃんもその心地よい感情を感じて安心します。逆にママが心が疲れていると赤ちゃんにもイライラや疲れが伝わってしまいます!
まずは自分を満たす事が大切になります!
【自分を満たすヒント!】
HSPは五感が敏感です。聴覚、嗅覚、味覚、視覚、触覚の部分を心地よい感覚で満たしてください。
ご自身が一番敏感に感じやすい部分の感覚を満たしていくことでとてもリラックスしたり心地よい状態になり心も身体も満たされます!
3,苦手を上手に手放す
何でも完璧にこなそうとして弱音を吐けないことがよくあります。母親だから子育てを全て全力で努力してしまうHSPさんは苦手を手放すようにしてください!
子育てに大切なのは『ママの心の余裕』です!!
いかに子育てを楽にするか、子育てのサービスなど利用できるものは全て利用したり、助けてくれる人には頼ると決めることで子育ては随分と楽になります!
そして自分が苦手なものを頑張ろうとせず、自分でできないものは素直に『できない』と伝えて手伝ってもらいましょう!
私は料理がとても気が重いのでよくお店で出来ているおかずを買ってきてもらっていましたよ!
子育てサービスを実施しているものは沢山ありますのでぜひネットで検索してみてください!
4,子育ては1人でするものではない
苦手なものを手放すことでもお話しましたが、子育てを1人でするには特に刺激を受けやすいHSPにはとても負担が大きいと感じます!
1人で全部抱え込まず、周りの人に協力してもらえる体制を整えたり、利用できるサービスを調べるなどして多くの人の目で子育をしていきましょう!
そうすることで、子育ても大きな視点で捉えることができるようになったり、成長を周りの人と一緒に楽しむことができます!!
5,子育てはママ&パパ育て
赤ちゃんが生まれてすぐに『はい!ママですよ!』と赤ちゃんを渡されたときに急に『ママ』というプレッシャーに押しつぶされそうになったりもしました。
ママなんだから大変なことも自分でやらないと!!
でも実際は子育ての方法なんて教えてもらっったことはないですし、全てが初めての状態!!
完璧を目指そうとせず、子育てを通してママもパパも子どもと一緒に成長するだけで良いと想います!
わからないことは人に頼って、助けてもらって・・そして子どもの年齢とママ年齢は一緒!
肩の力を抜いて子育てを楽しめる余裕が必要ですね!!
HSPは子育てに向いていない?HSPだからこそできる子育ての強み
1,子どもの気持ちに寄り添う共感力の強さ
HSPは共感力の高さが才能です。子どもが感じる心地よい感覚や喜びなどを子どもと同じように喜び共感してくれることは、子どもにとってこの上ない幸せです。 子育ては共感することが一番大切とさえ想います。なぜなら大好きなママに子どもたちが感じたことを一生懸命表現し、その喜びを共感してほしいと願っているからです。だから何か出来たとき喜びを感じたときにふとママの顔を見てニコッと微笑んだり身体で喜びを表現したり、言葉で伝えることがありますよね! その経験をした瞬間にそばでママが同じように喜んでくれたら、それだけで子どもたちは自分の力を確認して自信をもって成長していけるのです! HSPは苦手さもありますが、子どもの気持ちに寄り添えるという最高の才能を持っていることに誇りを持ってほしいと感じます。
2,些細な幸せを感じられる感受性の高さ
HSPは五感の敏感さがあるため、他の方はスルーしてしまうような些細なことであっても、その感覚の敏感さで小さな日常の幸せをキャッチすることが得意です。
例えば朝目を覚まして朝日が差し込む様子を見て、その太陽の暖かさや心地よさ、光の柔らかさを感じたり、風が部屋に入ってくるときの風の匂いや肌に触れる風の心地よさなどを感じそこのとても幸せを感じる事が出来ます。
その感性をお子さんと一緒に感じることが出来たら日常が更に幸せな時間となることでしょう!
ぜひその感性を大切にお子さんと一緒に楽しんでほしいと願っています!
3,あらゆるリスクを考えられる危険察知能力
子育ては楽しさとともに、子どもの行動は予想できない行動を起こすこともあって、危険と隣合わせですね。
子どもを育てると言うことはその先に危険を予測しながら行動していくことも大切になります。
例えば子どもが崖の端を歩いていて、その先の行動を予測できなかったら?
子どもが車道側を歩いていたら?
きっとその先の危険について考えることが出来るないと、子ども自身では危険を察知することが難しくなりますね。
子どもの行動を見てその先の危険を察知できるHSPの才能は子育てにおいてとても重要な能力だと想います。
4,子どもとパパをつなぐ調整力
子育てはパパの協力や周りの人の協力なくては成り立たないもの・・。 子どもが考えていること、子どもがしてほしいと想っているもの、子どもが喜ぶことや嫌がること
それを分かって挙げられるのもHSPの良さです。
相手の気持ちがわかるからこそ、人と人とを繋げる調整力もあります。
子どもとどうやって接したら良いのかわからない・・
パパがつまづきやすい問題もママが上手にカバーしてあげることで、子どもとパパの良い関係が出来ますね!
HSPの子育てについてまとめ
HSPの子育てについて「子育てが辛いと感じやすい9つの子育ての悩み」や「子育ての辛さを感じやすい特徴」「子育てをする上で大切にしてほしい5つのマインド」「HSPの子育ての4つの強み」など様々な視点から書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか??
HSPは人よりも感覚の敏感さがあったり、共感力がありすぎて子どもの気持ちに共感しすぎてしまうなど、その感覚が故に苦しく感じることも多いかと想います。
そして完璧主義もあって子育てを一人で頑張りすぎて心が折れてしまったり体調を壊すなども多いと想います。
大事なのは自分の特性をよく理解し、無理をしないこと、そしてHSPだから感じられる子育ての喜びや子どもへの共感力など多くの才能もあります! そしてその才能を実は子どもたちが一番求めているということも忘れずにいてほしいです。 この記事を読んで少しでもHSPのママがご自身の特性や才能に気づき、ぜひお子さんとの素晴らしい時間を過ごすことが出来るよう、そしてママ自身ももっと楽に子育てを楽しめる事を願っています!
【この記事を書いた本宮千歳について】
本宮千歳(もとみや ちとせ) HSP、HSCの専門家。 短期大学で保育士、幼稚園教諭Ⅱ種免許取得後、保育園に勤務。
保育士として現場を15年、主任を7年勤め、現在HSPの方、HSCのお子さんをもつ親御さんへのコンサルティングを行う。2児の母。
自身がHSPということに気付いてからHSPについて様々な人や場所で学びを深め、生きやすい世界になる。 この経験をもっと多くの方に分かりやすく伝えたいと思いHSPさんのサポートや、企業へのコンサルティングを行う。